ガスも晴れた小金ガ岳(こがねがだけ)の山頂にいた。
二度目で踏めた山頂である。山頂のスペースは広くないが、今登ってきた工程を思うと、心を安らげるスペースは十二分にある。山頂の周りは潅木が茂っているが、なかなかの展望である。しかしながら今、岩峰を這う様にして越えて来た景観が、目の奥に残像として強く焼き付いていた。

 二度目のお昼になった、食べかけのお弁当をまた食べだした。
篠山平野をゆったりとした気持ちで眺めていると、遠くからラジオの音が聞こえる。
しばらくすると、地元のハイカーらしい人が腰にラジオを提げ山頂に現れた。

 小柄で素朴な中年男性である、この山へは日をあけず登っているとか、
慣れてしまえば岩尾根も
散歩道なのか、
25分でした」
「早いですね、僕らは休んでばかりで1時間余りはかかりました」
 少しばかり会話が続いたが、話が途切れてしばらくすると、
山口
に住まいすると言っていた中年男性は下山して行った。

 私達も下山、
帰りは余裕も出て景色も楽しめればと願いながら、
日陰(ひかげ)ツツジも咲いている事だし・・・


ラジオ
 99.4.26 池田秀信


(
下山途中にカメラのレンズを岩に擦ってしまいました、
幸いフィルターの損傷だけで済みました。 ほ!・・
)
 

写真上・山頂より多紀アルプス主峰三岳を望む
下・日陰ツツジ

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