登山口の手前に4,5台止められる空き地がある、近くに有料駐車場がありそちらに止めるのがマナーかもしれない。車で1時間半から2時間、パソコンでこさえた地図を頼りに車を走らせ登山口の能勢の郷に辿り着いた。

 お昼の
12時にスタート、登山口で下山の中年紳士と出会う、『これからですか、お気をつけて』の声に、遅いスタートを反省しながら、促されるように重い足を進めた。

 行者山の登りは整備された道である。

道の所々に見晴らし岩や覗き岩の様な巨石があり、中にはハーケンが打ち込まれた岩もある。
崖にせり出した巨石からの眺めは良い。
また、摂津大峰と呼ばれ修験道の行場である、大日仏などの岩に刻まれた磨崖仏がある。

 道から少し離れた所に人の背丈以上もある大きな岩があり、鉄の
梯子が架ってある。

 好奇心に引かれ梯子を登って見た。やはり崖下が覗けた、景色はまったく違っている。
目の下にも大きくせり出した見晴らし岩がある。
中年男性、地下足袋風な物を履き、山で仕事をしているような身なり、慣れた物腰で崖にせり出した岩の端まで来て下を覗き込む。
本人は平気そうだが、見ているこちらのお尻の辺りがこそばゆい感じで、変な気持ちである。中年男性は上から見ていることも感じないまま、私の視界から消えた。


直ぐ目の前の小枝に、小鳥がとまって休んでいた、やはり私の気配を感じられないようだ、私の立っている覗き岩の不思議な力なのかもしれない?
 行者山を過ぎて剣尾山へ向う。
体が慣れてきたのか動き易くなってきた、斜度も緩くなった様な気がする。
道端のスミレなどを見つけては写真に撮ったりしながらのスロウペース。
マンサクの様なショボショボとした黄色い花に似た花をつけ、新芽が開きかけていた。
写真を元に調べ、ダンコウバイ(壇香梅、樹木春夏編282n他86n)のようだと決める。
 男性3人女性1人のメンバーに出会った、「こんにちは」好意的な笑顔と言葉が返ってきた。
4人ともマスクで顔を覆っていた、山での景色に大きなマスクはふさわしくないように思えた。後尾の男性が私の方を見て怪訝そうに通り過ぎた。そのとき私は4月始めでティーシャツ1枚の姿(勿論ズボンは履いている)である、季節感で見ると少し早かったようだ。
おかしなもの同士がすれ違ったようである。

 “鹿の生息地”の看板が有る、大阪府とは思えない所だ、この山を境に北が京都府である、自然に近い雑木が主で杉等の植林地は見かけない、色々な野鳥が多くいた、目の前で鳴いてくれたウグイス、山頂で頭の直ぐ上をかすめ飛んだ奴、“ツーツーピー ツーツーピー ツッツッ” “ツーツーピー ツーツーピー ツッツッ”鳴き声を覚えてしまったものも有る。
いい時期の山を楽しませてもらった
ツツジはこれからである

2001.04.09 剣尾山(784m)池田秀信

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